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SH I GA I DA I NEWS v o l . 1 9
70~
60~69
50~59
40~49
30~39
20~29
10~19
5~9
0~4
0
10
20
有病率(%)
30
40
50
年齢層 (歳)
6.3
11.3
11.3
11.6
21.8
18.2
33.1
24.7
20.4
17.8
31.3
36.8
36.6
20.0
8.3
13.7
22.5
0.6
1.1
4.0
31.4
29.3
28.9
39.1
35.5
21.7
13.8
スギ以外の花粉症
スギ花粉症
通年性アレルギー性鼻炎
1
20
30
40
50
花粉症も発症していますので、
近く悩まされることになりま
ため患者数が激増し、 スギ
になっています。
散予測
集器を
スにー
は遅くなります。 大津市では1月
の積算値が 毎日の気温条件を調べて
います。
飛散量、 患者数ともに増え続けて
発症ともに若年化しており、 自
現在は日本人の4割近く
えます。
スギとともに
が、 花粉の原因 で 海外で ありませ気でい
養状態の改善、 ストレス社会など多く
の因子が関与していると推定されま
す。 しかしなんといっても抗原量が増
えたことが最も大きな原因です。 ハウ
スダストとその原因抗原であるダニの
増加は、 気密性の高い西洋式建築や暖
房などの生活様式の変化がダニの棲息
を助長したことによります。 スギ ?ヒノ
キ花粉の増加は戦後の植林政策によ
り、 スギ ?ヒノキが北海道と沖縄を除く
全国の山林で植林され、 それらが花粉生産能力
の高い樹齢
30年を超えるようになって急増し
ました。
スギ花粉症の特徴
世界の3大花粉症に、 1800年代の初めに
イギリスで最初に報告されたイネ科 (牧草) 花
粉症、 同じく1980年代後半に報告されたア
メリカのブタクサ花粉症と日本のスギ花粉症
があります。 日本のスギ花粉症の歴史はまだ浅
く、 1963年に初めて栃木県日光のスギ並木
によるものが報告されました。 ちょうどその頃
から戦後植林された樹木が花粉を生産するよ
うになり、 1970年代に入って患者数が急増
激増す
耳鼻咽喉科学講座
教授
清水
猛史
アレルギー性鼻炎増加の原因
日本におけるアレルギー性鼻炎の有病率は、
1998年に
29.8%でしたが
10年後の2008
年には
39.4%に増加し、 患者数が増え続けていま
す。 アレルギー性鼻炎にはスギ?ヒノキに代表
される花粉が原因になる季節性のものと、 ハウ
スダストに含まれるダニや、 カビ ?ペットなど
が原因の通年性のものがあります。 現在ではス
ギ ?ヒノキ花粉症は
30
-
50歳代では3
-
4割の
人が、 ハウスダストのアレルギーは
10
-
20歳代
を中心にやはり3
-
4割の人が罹患しています
(図1) 。 小児においても以前はアレルギーマー
チと呼ばれたように、 幼児期に食物アレルギー
やアトピー性皮膚炎に罹患し、 小児期に小児喘
息、 学童期になってアレルギー性鼻炎を発症し
てくるのが普通の経過でしたが、 現在ではアレ
ルギー性鼻炎の発症が低年齢化し、 幼児期や小
児期からみられること、 さらに重症化や多抗原
化が大きな社会問題になっています。
アレルギー性鼻炎増加の原因は様々ですが、
感染症の減少により免疫担当細胞のバランス
が感染からアレルギーへ傾斜して、 アレルギー
疾患 増えたとする 「衛生仮説」 が現象面から
支持されています。 その他、 大気汚染や黄砂、 栄
耳鼻咽喉科学講座 
教授 清水 猛史
中国足球彩票医学部附属病院の
鼻炎に対して、 専門外来を設けて
に、 臨床研究棟の屋上で毎日の花粉飛
こうしたアレルギー性鼻炎診療の現状と、
者さんに対する耳鼻咽喉科の最先端の診療につ
(図1)
アレルギー性鼻炎の年齢層別有病率