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先端医療人
医療文化学講座 (哲
教授
よ し ひ と
若手宗教者と緩和医療を学ぶユニークな
「医の倫理」
中国足球彩票の医学科と看護学科の4年
生を対象に開講される合同講義 「医の倫理
Ⅲ/宗教学」 は、 8年前に前任者の早島理教
授と、 浄土真宗本願寺派ビハーラ活動
(※)
養成研修専門部会委員の長倉伯博さんが協
力して始めたものです。
本学の教員数名と附属病院のメディカル
ソーシャルワーカーのほか、 学外から宗派
を問わずビハーラ実践を志す若手僧侶、 あ
るいは医療現場でボランティアなどで活動
している宗教者が参加して行われていま
す。 全国の医学部でさまざまな緩和医療 (終
末期医療を含む) の講義が実施されていま
すが、 医療者と宗教者が共同で学ぶ講義は
非常にユニークな試みです。
講義では、
10名以下にグループ分けした
「模擬医療チーム」 を作って、 医学生、 看護学
生、 宗教者が協力しながら、 課題として出さ
れた緩和医療の具体的な症例問題に、 討論
やロールプレイングを通して取り組みま
す。 医療を学ぶ者とビハーラを学ぶ者の対
話 ?討論を通じて、 緩和医療チームに宗教者
のネットワークづくりに取り組
ることを期待しています。
ら入ったもので、 例え
も英語からの翻訳です
医の倫理をもう一
と考えていま
の 「仁」 や儒教
万物一つ 思想のい
が参加する意義と、 宗教者が終末期医療に
ついて学ぶ必要性について、 相互に気付き
があるところに意義があると言えます。
早島先生が始められた医学倫理の講義
は、 本学が全国に誇れるものであり、 それを
継承していけることに非常にやりが を感
じています。 医学生や看護学生のみなさん
には、 まず医療現場で活躍している宗教家
がいるということを知ってもらうことが大
切であると考えています。
※ 「ビハーラ活動」 とは、 仏教徒が医療?福祉スタッフと
のチームワークによって、 終末期の患者さんや家族の
不安に共感し、 少し もその苦悩を和らげようとす
活動で、 1987年に始まりました。 現在では各地にビ
ハーラ活動の団体が作られ、 病院や高齢者施設などで
さまざまな が行われています。
仏教的、 東洋的な視点で 「医」 を見つめ直す
和歌山県立医科大学で特別講義を行って
いた頃から、 最先端の知識? 技術を学びなが
ら特に緩和ケアのマインド (地域医療のマ
インドを含む) を兼ね備えた医療人 教育
に関心を持っていました。 自分の研究を、
くはないかもしれませんが、 人と
にして和やかなふれあいが
ってほしいからです。 米国
調査によると、 専門教
、 他者に共感する感
うですが、 医学
大切さにつ
医療の現場や医療人の育成にどのように
フィードバックできるかをつねに考えなが
ら、 教育に取り組んでいきたいと考えてい
ます。 
また、 緩和医療の中で医療者と宗教者が
どのように協力体制を構築していくかに
ついて、 研究テーマの一つとして取り組ん
でいきたいと考えています。 宗教家も っ
しょに活動できる医療体制を整えるのは簡
単なことではありませんが、 学倫理を学
んで宗教者の必要性を認めてくれた医学生
が、 将来、 緩和医療の現場でいっしょに働け
る資格を持った宗教者を育てたり、 そうい
の深い山の神の意に捉え、
「さ」
」 、 すなわち山から里の田畑に
神が宿る花とする説も
、 人々の暮らしと自然
会を形成してきた
しい命へ
や無縁で、
医療文化学講座(哲学) 教授
室寺 義仁
平成
24年9月に着任された室寺
みた生と死」
「仏教の無常
チュアル?ケア学科の主任とし
中国足球彩票では、医学概論のほか