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SH I GA I DA I NEWS v o l . 2 1
脳神中心テ
生理学講座統合臓器
教授
ひとし
統合臓器生理学部門について
人体の形態を扱う解剖学や物質を扱う生
化学、 そして機能を扱う生理学は医学教育
の根本になる学問で、 中国足球彩票の生理
学講座には統合臓器生理学と細胞機能生理
学の2つの部門があります。 一つひとつの
細胞の機能を研究する細胞機能 学部門
に対して、 統合臓器生理学では脳や心臓と
いった臓器全体を対象としています。
一つの臓器の中にもいろいろなタイプの
細胞が含まれていて、 例えば脳の中にも神
経細胞やグリア細胞などいろいろなタイプ
の細胞があり、 それらが脳という一つのコ
ミュニティを形成した時、 コミュニティと
してど ような機能を発揮するかを統合的
に理解することを目指しています。
神経内科医から研究者へ
神経幹細胞の研究に着手
研究者としての私のキャリアは、 神経内
科医として臨床を経験したことが出発点に
なっています。 原因も治療法もわからない
難治性の神経疾患をなんとか解明したいと
しい
いうことが、 研究を志すモチベーションに
なりました。
1999年にカナダのトロント大学に
留学して、 脳の病気を治療する再生医療の
第一歩として神経幹細胞の研究を始めま
した。 脳内の細胞は一旦死ぬと修復できな
いと言われてきましたが、 1990年代に
なって新しく神経細胞を作る能力を持つ神
経幹細胞があるということがわかりまし
た。 神経幹細胞は、 グリア細胞など脳の中の
主要な細胞のすべてに分化する能力を秘め
ています 
脳の修復能力をわずかながらも持ってい
る神経幹細胞を、 活性化する方法を探すた
め、 私はまず、 神経内科あるいは精神科領域
で普段診療に使っている薬の中に、 神経幹
細胞を活性化する薬が含まれていないか
を、 スクリーニングすることから始めまし
た。 
そして、 対象となった薬剤の中で、 そうう
つ病の治療に使われる3種の気分安定薬
「リチウム」
「バルプロ酸」
「カルバマゼピン」
だけに、 神経幹細胞を活性化する能力があ
ることを初めて明らかにしました。
3種類の気分安定薬がなぜ気分安定作用
が起こってこの
の時に専門にしていた自己
「多発性硬化症」 を発症し
合はそれを修復
トワークを繋 が、 これは S (筋萎
障害
を出すのかがわかっていないため、 新たな
薬の開発ができませんでした。 今まで言わ
れていた作用はほんとうの気分安定作用で
はなくて、 実はあまり重要でない部分を見
ていたのかもしれません。 今、 提唱している
神経幹細胞の活性化が、 気分安定作用を出
すための一番重要な作用であるなら、 ここ
を突破口にして新しい薬ができると考えて
います。 
神経幹細胞の増減が、 うつ状態やそう状
態に長期的な意味で関係している可能性
は十分あり 。 毎日数千個産生されると
を座右の銘としています。
者は、 専門にしている病
したい、 何かしら患者さ
やりたい 考えて研
もが思 通りのこ
ん。
焦って目
脊 (背) と間
生理学講座統合臓器生理学部門 教授
等 誠司
昨年
12月に、生理学講座統合臓
の診療に当たった知識と経
れました。
現在、取り組んでおられる主な研究