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SH I GA I DA I NEWS v o l . 2 2
16
です。
私が思うに日
基に、 海外で力を
究者冥利に尽きます
ことではないかと思いま
服部
今、 日本の若者は内向き志
り海外に出たがらない 言い
思われますか。
私が子どもの頃は外国は夢の世界でし
ので、 高校から大学にかけて世界に出て
強しようという気持ちがかなりありまし
た。 日本が豊かになってからはハングリー
さがなくなってますよね。 もうそんな苦労
はしなくてもいいのでは いか いうこと
で、 内向きになっていることはあるかもし
れません。
もう一つ、 日本人が戦後世界でやってき
たことは正当に評価されている 、 日本
人は堂々として自信を持って生きていくべ
きだと思います。
外に出て、 世界レベルの中で
自分の立ち位置を知る
服部
最後にみなさんから
本学
の若い先生
方、 あるいは
本学
に対してメッセージがあ
りましたらお願いします。
外に出て、
有名な研究者の方と直に
ディスカッションをしてみると、 自分が
やっている研究が世界的なレベルの中でど
ういう立ち位置にあるかが非常 よくわか
りますし、
勇気づけられます。 トップレベル
の方と会って交流するというのは 大
切なこ だと思います。
服部
若い人にはどんどん外に出ることを
勧めるとい
豊田
日本の教育を
てきたもの
は、 必ず世界で通
そういうものを海外
は、 その後の自信につな
と思っています。
澤田
私自身が、 海外指向であったか
うと答えは難し で 今回の海
大路教授の強い後押しや、 大学の援助
いった幸運の積み重ねによるものだ 思
ます。 しかし、 外に出てみないと分からな
厳しさや辛さ、 例えば、 ポスドクで雇われ
ていたのに突然解雇されたり、 ラボが無く
なってしまったりといった、 日本で あま
り起こらないようなことが海外では日常茶
飯事に起こるので、 厳しい中で生き残って
切磋琢磨している世界のレベルに触れるの
は良い経験 なると思います。
服部
ヨーロッパでもアメリカでも留学し
ている人の中には帰るところがない人もい
ます。 業績を上げて、 次の行き先を探さなけ
ればならないという人がかなりいます。 そ
れが逆にモチベーションを高め 良い研究
につながったりする 思います。 日本人は
安定していて、 帰ったらポストもあるとい
うのが良い点でもあ 、 弱い点でもある
かもしれません。
上仁
私は研修ではなく臨床見学をして
きたので、 レジデントを募集するインタ
ビューの場にも同席することができまし
た。 メイヨークリニックは毎週月曜日がイ
ンタビューの日で、 朝から候補者がズラリ
と並びます。 全米からインタビューに来る
にもセレクトがあって、 そこでレジデント
になる いうのは、 ものすごく難しいこと
上仁
やはり英語
日本で培ったもの
世界で研鑽を積む
服部
研究の内容とかレベル、 臨
のレベルですね、 今になってみ
カとそんなに技量という面では変
かもしれないとは思いますよね。 仲先
されている器
材の開発も、 この前
アメリカ
のオークランド大学から視察団が来られて
話していると、
彼らのところにないものが
ある。 そういう意味で日本で先進的なもの
を持ちつつ世界と対峙していくという姿勢
は大事ですよね。 豊田先生、 研究のほうでは
世界に負けませんか。
豊田
一般論として日本の研究施設とい
うのは、 設備的にも技術的にも世界をリー
ドすることはあっても、 遅れをとっている
ところは
あまり
ないような気がします。
すから、
一昔前のように良い研究環境を
求めて留学するということは、 今はそうい
う必要性はなくなっているのかなと思い
ます。
でも、 日本は
他国の文化と接する機会が
少ないので、 日本人が海外に出て研鑽を積
むということは、
それ
自体
素晴らしい価値
があるのではないかと思います。 特に海外
に行くと日本人というだけで高い評価をし
ていただけます。 恐らく私たちの上の世代
研究者
たち、 さらにもっと上の先生たち
が確かな技術を持って献身的な態度で留学
されてきた、 その結果だと思います。
つま
り、 そういう日本人の研究姿勢 そが世界
をリードしうる一つの要素だということ