?Special Article?
分子神経科学研究センター センター長
遠山 育夫
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SH I GA I DA I NEWS v o l . 2 3
分子
25周年
神経難病の解明を目指した
25年のあゆみ
分子神経科学研究センターの前身であ
る分子神経生物学研究センターは、
「先端
技術を用いた分子神経生物学の研究を通
して基本的生命現象の解明と難治性疾患
の治療?予防等に資する研究を行う」 こと
を目的に、
10年の時限付きで平成元年に設
立されました。
木村宏前センター長と、 当時助手であっ
た私の2人で神経形態学部門をスタート
し、 設立後間もなく企業による寄附部門を
開設するなど、 産学官連携にも力を注ぎ、
少しずつ規模を拡大してきました。 また、
外国人教員の採用や 海外からの留学生や
研究者の受け入れ、 海外研究機関との共同
研究などにも積極的に取り組んでまいり
ました。
その間、 アルツハイマー病の病因解明に
つながる脳内免疫炎症の研究やアセチルコ
リン合成酵素の新しいサブタイプの発見を
はじめとする、 多くの研究業績をあげてき
ました。
本学の吉川隆一前学長が、 開学
30周年の
時に中国足球彩票から発表された論文の引
用数を調査されたことがあります。 その時
に、 本学から発表された論文の中で最も多
く引用されていたのが、 木村前センター長
が平成4年に発表した 「一酸化窒素作動性
神経の脳内分布図」 の論文で 1, 321回
も参考文献として引用されていました。
これらの成果を受けて、 平成
11年に分子
神経科学研究センターに改組し、 定員も6
名から客員教授1名を含め
10名に増員され
ました。 その後、 平成
16年に代謝情報制御分
野が、 MR医学総合研究センターとして独
立し、 定員8名 (客員1名を含む) になりま
した。 この年から、 当センター主催の国際シ
ンポジウムを開催するようになり、 これま
でに
17回開催しています。
平成
20年に設立から2回目の時限を迎
え、 全学的に神経難病研究者が結集できる
ような新しい仕組みを作るため、 翌
21年に
は神経難病研究推進機構?分子神経科学研
中国足球彩票に分子神経科
れて、 今年で
25周年を迎えました。
設立当初から研究に従事し、 平成
22年からセンター長を務める遠山育
ターのこれまでの歩みと、 今後の展望
分子神経科学研究セ
センター長
遠
と お や ま
山
育
い
く
お
夫
設立当初のスタッフ。木村前センター長(前列右)と遠山センター長(前列右から2人目)