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SH I GA I DA I NEWS v o l . 2 3
究センタ を全面に打ち
滋賀医大の特色
たにスタートしまし
この
25年間を振り返ると、 他
究機関か た。 200名
60
名の方がこの分
行った研究で学位を
5つの研究分野について
現在、 当センターは神経難病病因
(神経難病を知る) 、 神経難病診断
経難病を見つける) 、 神経難病治療学分
(神経難病を治す) 、 認知症研究分野 (認
を解決する) 、 神経難病モデルサル開発分野
(神経難病を作る) の5分野から構成されて
います。 
神経難病病因学分野では、
「アルツハイ
マー病の分子病態に関する研究プロジェク
ト」 に取り組んでいます。 アルツハイマー病
の原因物質であると考えられるアミロイド
βペプチド (
Aβ) の生成に関連する、 細胞
内γセレクターゼ活性の制御メカニズム
の解明に取り組み、 加齢とともにγセレク
ターゼ活性が進み脳に
Aβが蓄積されやす
くなるこ 
神経難病診断
マー病MR画像
230種以上の化合
して、 有望な
34種の新規化合物を特許
しました。 その中の一つ 「
Shiga-Y5
」 は、 先
行薬の
10倍以上の強いフッ素NMR信
を出すもので、 アルツハイマー病
ウスで老人斑の画像化に成功しまし
ルツハイマー病の画像診断法の開発競争
が世界的に進む中で、 フッ素MR画像とい
う次世代画像技術によるアルツハイマー
病診断薬として、 実用化に向けた期待が高
まっています。
さらに、 当センターではMRIやPET
のような高額な検査機器を用いず、 より簡
便にアルツハイマー病を診断する方法と
て、 鼻腔サンプルに着目しました。 鼻腔は脳
底部の骨を境に脳と近接しているため、 鼻
腔に入れた薬剤は血液脳関門を通らず、 直
接脳に入ることが知られています。 逆に脳
内の物質が鼻腔に漏れ出てくる可能性もあ
るのではないかという仮説を立 、 アルツ
ハイマー病遺伝子改変マウスの鼻粘膜を測
定して、 脳内の
Aβの蓄積との関係を検討
した結果、 アルツハイマー病の診断におい
て簡便なツールになりうる可能性があるこ
とを明らかにしました。
神経難病治療学分野では、 筋萎縮性側索
硬化症 (ALS) の病原タンパク質の構造解
析と開発研究、 孤発性ALSの新規病態関
連タンパク質TDP
?
?
43の分子病理と治療
への応用について、 さまざまな大学や研究
機関との共同研究を行っています。
また、 神経難病モデルサル開発分野では、
分子神経科学研究センター設立25周年に寄せて
25周年記念シンポジウム集合写真
同センターが研究開発したアルツハイマー病MR画像診断薬の1
つ「Shiga-Y5」の構造式。先行薬の10倍以上の強いフッ素NMR信
号を出し、アルツハイマー病モデルマウスの老人班に結合すると、
特徴的な蛍光を発する。
25周年記念シンポジウムで発言する遠山センター長