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希少難病FOP患者の在宅看護技術研究について
※ミューチュアルアプローチによるアクションリサーチ
研究者と実践者が協力して問題のメカニズムを解明し、
得られた知見で課題の解決を図ることを目的とした実践
的研究。
2006
プラン教授に
が発見されてい
のある治療薬の開発
ちの研究グループでは
化合物 特定にも取り組ん
家族の負担軽減
患者さんの自立支援につながる
在宅ケア技術の開発を目指して
生活実態調査からわかったことは、 F
OP患児は小児期には動けるうち 動く
ことを心がけ、 学童期には希少難病であ
ることを自覚して、 転倒などの事故防止
やADL (日常生活動作) 向上 ため 工
夫を行い、 思春期にはできなく ったこ
とを嘆くのではなく、 できるよう工夫し
自立を目指しているということです。
症状の程度には個人差がありますが、
患者さんが日々の生活を送るためには、
さまざまな場面で介護の手が必要です。
日常生活援助の専門家である看護師との
連携がないま に、 成長とともに進行す
る身体の変形と運動障害に対して、 子ど
ものQOL 低下しないよう環境を整
え、 補助具を手づくりするなどさまざま
な工夫を行って、 患児の日々の生活を支
えるために家族が奔走してきたことが浮
き彫りになりました。
今回の 「FOP患者の異所性骨化を補う
在宅ケアの開発を目指 アクションリ
サーチ」 では、 研究者と実践者が協力して
行うミューチュアルアプローチによるア
クションリサーチ
の手法で、 研究に協力
していた チームを作り
サポートを受け
上肢が挙上できない
ないといったさまざま
る在宅ケア技術を検討しま
技術を修得することで、 よ
ケア方法によって患者さんの自立
することを目的としています。
患者さんと家族
研究者がチームを組んで
在宅ケア技術を工夫
研究計画では、 まず、 身体の変形や運
動障害に関わる問題点を抽出して生活
支援の方向性を確認します。
看護技術演習室で患者さんの姿勢を再
現、 動作を分析して動きを妨げる要因を
明らかにし、 患者さんの姿勢に合わせた
看護技術を検討して、 家族に看護技術
提案します。 提案 実践、 リフレクション
(振り返り) を行い、 患者さんの動きと家
族の動作分析、 介護負担感を評価し、 再計
画を行って家族が在宅ケア技術として習
得するまで繰り返します。
カプラン教授からも、 日常生活援助を
考慮した研究はまだアメリカでも行われ
ていないため、 こ 研究が重要であると
推奨する言葉をいただきました。
FOP
患者
アクション
リサーチ
チーム
小児看護
研究者
医師
理学療法士
教育者
基礎看護
研究者
家族
アクションリサーチチーム
子どもの
自立を
支える
ために
奔走
特異な
身体の
発育を
自覚
病気の無知に
よる
不適切なケア
希少難病を
受容できない
焦り
思うように
ならない
診療
医療?福祉が
有用でない
ことに落胆
侵襲のある
事象を防ぐこと
を実践
異所性骨化を
補う
工夫
FOP患児の異所性骨化に伴う家族の体験(平成24年度日本家族看護学会で発表)