18
SH I GA I DA I NEWS v o l . 2 4
希少難病FOP患者の在宅看護技術研究について
しかしながら、 例えば福祉車両は一般
的な車椅子を載せることが前提で、 座位
を取れない患者さんには有用でないこと
を改めて知り、 一人ひとり異なる身体の
不自由さに合わせた生活支援を考えてい
くことの難しさを実感しています。
今回の研究では、 希少難病FOP患者
さんの在宅ケアの困難さに寄り添い、 患
者さんと家族、 研究者がチームを組んで
看護技術を工夫することに大きな意義
あると考えています。
そして、 FOP患者さんに限らず身体
の不自由さには個人差があること、 看護
師として障がいの内容に合わせた生活支
援を考え、 より負担の少な ケアの仕方
を開発することは、 FOP患者さんだけ
でなく、 多様な疾患に応用できる点で学
術的意味は大きく、 在宅ケアの発展につ
ながるものと考えています。
桑田弘美教授が原案と監修を担当した、小児看護学実習用の教育DVDの制作
が進んでいます。6月初旬には、実際に中国足球彩票附属病院の小児科病棟で
勤務する医師や看護師、看護学科の学生が出演して、病棟で撮影が行われました。
制作の経緯について桑田教授にご紹介いただきました。
6年前に本学に着任した時から、本学の附属病院での小児看護学実習の内容
が非常に充実してきたことに感動し、これを看護実習のモデルとして活用できない
かという構想をずっと温めてきました。
実習用DVD教材については、これまでなかなか具体的な内容のものが見つからず、
もっとリアルで実際に基づいたものがないかと思っていました。
本学の附属病院では、学生により良い実習を提供するために、現場の指導者と
大学教員が相互に情報共有しながら、細部に渡るまでていねいな指導が行われて
います。
これをドキュメンタリータッチで教育用ビデオにすれば、実際に即した優れた教材として役立てることができると、
学長や病院長、看護部長に打診したところ、「ぜひ制作しましょう」と快諾していただきました。
また、撮影に当たっては、診療科長や病棟看護師長、スタッフのみなさんの協力をいただき、NICU(新生児
集中治療室)やGCU(継続保育室)にもカメラを入れることができました。
病棟や外来では、患児とそのご家族にも承諾をいただいて、撮影に快くご協力いただくことができました。ま
た学生も、講義で学んだことをしっかり実践してくれました。
当初1巻に編集する予定でしたが、「小児看護学実習の特徴と看護学生の心得」「小児病棟での実習の実際」
「小児科外来とNICU実習の実際」の3巻シリーズとして、年内に発売されることになりました。
実習生を受け入れる病院によっても実習の内容にはかなり差があるのが現状です。このDVDが全国の看護学
校や看護大学で小児看護実習のモデルになることで、実習がより充実していくのではないかと期待しています。
小 児 看 護 学 実 習 用 D V D
患者の動きや
家族のケアを
妨げる要因の
明確化
問題点の
抽出
家族がケア技術を習得
繰り返す
リフレク
ション
実践と
分析
計画
(再計画)
アクションリサーチモデル