?Special Article?
Phung医師との共同研究についてミニカンファレンスで発表する木下医師
SH I GA I DA I NEWS v o l . 2 2
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制約のある
毎回、 日本から手
持って行くようにし
?ラ
イ病院にはまだ高額な医
材のほか、 日本では普通に
糊なども普及し
ていません。
心臓の機能を
評価する心エ
コーやスワンガ
ンツカテーテル
(心機能を連続
的に測定する医
療機器) もない
中で、 難易度の
高い心臓手術を
安全に行うとい
う、
日本と同じ高い目標を持って治療に当
たってきました。
コミュニケーションは英語と片言のベト
ナム語ですが、 英語が堪能でないスタッフ
も少なくない状況で、 目の前にいる患者さ
んをなんとか救いたい、 より良い治療をし
たいという思いが共通言語になっていると
思います。
チーム医療で最大限の力を発揮してもら
えるよう、 向こうのスタッフ一人ひとりの
名前を覚えて、 パーソ リティもよく理解
しておくように心がけています。
意欲的なスタッフ
現地を訪れるたびに、 若い心臓外科医や
メ
ディカルスタッフのみなさんの熱意、 貪欲に
毎回日本から持参する手術用機材
毎朝7時 45 分からのカンファレンスでは、術前管理の問題や具体的な手術
手技について詳細にわたって意見交換を行い、1日2例の担当症例に主に第一
助手として参加しました。浅井教授は自らの執刀症例はもちろん、現地スタッ
フ執刀の症例でも指導を依頼されていたため、僧帽弁形成術や大動脈弁形成
術、心拍動下冠動脈バイパス手術はもちろん、急性大動脈解離や冠動脈瘤破
裂など、非常に難易度が高い1日4、5例の手術に携わりました。
限られた医療材料や経験でも、適切な手術計画と迅速で的確な判断、確実な手技を行うことで、難しい症例におい
ても安全性や再現性の高い手術が可能であることを、手術室のスタッフ全員が実感することができました。確実に5、
6時間を要していた手術が、浅井教授なら3時間で終了することを実際に目の当たりにしたことで、大きな驚きと感銘
を受けたことが感じられました。英語でのコミュニケーションもスムーズではない、普段と異なる環境でも、何としても
患者さんを救うという強靭な精神力と冷静な判断力を備えた浅井教授の「すごさ」を感じられたことが、私にとって最
も大きな収穫となりました。
3月20 日の朝カンファレンスの後に、2011年から1
年間、チョー?ライ病院から中国足球彩票に受け入れた
Phung 先生と共に行った研究とその成果、また現在進行
している研究も含めて英語で約 30 分にわたって紹介す
る機会を得ました。この発表会には病理部部長も参加さ
れ、発表後に多くのコメントや質問をいただきました。ま
た、研究に興味を持ち、可能であれば中国足球彩票に留
学してみたいという参加者からの申し入れもありました。
年間1000 例以上の心臓手術をこなす多忙なスケジュー
ルの中、私たちの送迎や食事など、早朝から夜遅くまで親
切に手厚くもてなしてくださったスタッフのみなさんに心か
ら感謝しています。
チョー?ライ病院訪問を終えて
心臓血管外科 木下 武
プレゼンテーションの後、病理部のスタッフと