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学び取ろ 
毎回、 滋賀医
ムから若手医師
彼らもさまざまな刺
も多いと思います。 今
チーム医療の素晴らしさを
ではないでしょうか。
日本では設備や医療機器など、 さ
な面で充実していることが当たり前
ていますが、 外に出てみて改めて気付く
とも多いと思います。 ろいろな困難を解
決してより良い治療を行うためには、 やは
り人の力、 心を一つにして治療に当たるこ
とが何より大切であることに気付かされ
ます。 
現場を離れるとスタッフのみなさんは非
常にフレンドリーで、 多忙なスケジュ ル
の中、 送迎や食事など親切で手厚いもて
しで私達 な雰囲気の中
ングを たり、
でいます。
現地での経験を通して学ぶ
設備が整った施設で手術や治療を
いる日本と異なる環境のベトナムで
ざまな刺激を受けることも少なくありま
ん。 いろいろ不自由なことがある中で、 使
るものはすべて使って、 スタッフ全員が本
気になって意見を出し合い、 患者さんの命
を救おうと努力する、 いわば医療の原点に
立ち返ることができるのが一つの大きな魅
力です。 
そして、 交流4年目を迎えて、 チョー
?ラ
イ病院心臓外科のレベルが確実に上がって
きていることを感じます。 症例数が多いこ
とも幸いしていますが、 例えば当初の技術
指導の目的であった、 人工心肺を使わない
心拍動下冠動脈バイパス手術が行 る医師
も育っていますし、 それ以外の技術の修得
も着実に進んでいます。
心臓外科チームの
Nguyen Thai
An
医師
が、 先日、 神戸で開催されたアジア心臓血管
外科国際学会で、 私が指導した心筋梗塞に
よる心室中隔破裂の新しい治療術式につい
て発表してくれました。 チョー? ライ病院と
の交流が始まってから4年間で、
10数例の
心室中隔破裂手術が行われているこ から
も、 彼らの成長に貢献できていると感じて
います。 
また、 一方的に教えるだけでなく、 互いに
学び合うという姿勢を持ち続けることで、
良い関係が構築できると思います。 例えば
日本ではほとんどなくなってしまったリウ
マチ性の心臓弁膜症は、 ベトナムでは症例
数が圧倒的に多く、 治療技術を向上させる
ことで、 国際舞台でリーダーになるポテン
シャルを持っていると思います。 日本の若
い医師にとっても、 数多い症例を経験でき
る現地での研修は、 貴重な経験になるはず
です。 
今後は全体の治療方針の構築をしっかり
行って、 どうすればより安全に また、 患者
さんの負担をより少なくする治療を行える
かといったことを指導していきたいと思っ
ています。 
さらに、 若い医師や心臓外科医を目指す
人との交流を図ったり、 麻酔科医や臨床工
学技士
などの指導にも協力して、 治療レベ
ルの向上に包括的に貢献できるような支援
と交流を続けていきたいと考えています。
浅井教授の手術を食い入るように見つめるスタッフ
神戸で行われたアジア心臓血管外科国際学会で発表したNguyen Thai An医師と
ベトナムにおける心臓血管外科手術への支援