スベクタ せて病原性 ウイル に、 目
んだウイル を用い
目的の遺伝子を導入する
イルスが感染する際に、 宿
体にウイルス遺伝子を組み込む性
質を利用したものです。
数日間培養して、GFPを発現し
た受精卵だけを選んでカニクイザル
の仮親の子宮に移植したところ、
17
頭の仮親 頭ともにGF 改変カニクイザル
今回の成功の要因と
組換体をマーモセットで
ウを持った実験動物中央研究
共同研究ができたこと、当センタ
がカニクイザルの発生工学に関し
は世界トップレベ の水準を持って
いたことがあります。
ヒトの不妊治療で使われるのと同
じ手法で、体外で受精
卵を作ったり、 受精卵を
仮親に移植したり そ
ういうテクニックがすで
にあり、遺伝子をどの
ように導入するかとい
うところも、実験動物
中央研究所から細かい
調整を教わり、ウイルス
精製の精度を上げたり
するなど、 技術レベルを
上げる努力を重ねまし
た。
ミーティングで問題点
について意見を交換し
合い、 手法をどんどん改
善しながらチームワーク
で進めていけたことも
大きいと思います。その
結果、2014年から研
究を始めて、 2年半程度
で今回の できました。
ゲノム編集技術を使
新たな研究もスタート
アルツハイマーモデルにつ
ては、 GFPカニクイザルで
行ったようにアルツハイマー
病の遺伝子を導入したウイ
ルスを作製するという段階
まできています。 またそのウ
イルスを培養細胞に感染さ
せ、 細胞レベルではAPPタ
ンパク質ができるところまで
確認していますので、間もな
く卵子に感染実験を実施することに
なります。
課題として、カニクイザルでは数
多くのモデルサルを作ることが難し
いという点があります。
卵子を取るためにヒトの不妊治
療などで使われている過剰排卵処
置をすることによって、通常1個し
か採れない卵子を
2 0
から
3 0
個採る
ことができます。 マーモセットはこの
手法で何度でも複数の採卵ができ
るのですが、 カニクイザルは2回目
のホルモン投与が効きづらいため、
複数の採卵は1回しか きません。
複数回採卵できるホルモンを開発す
るプロジェクトが進んでいて、 それが
うまくいくとモデルサルの安定的な
作製につながると考えています。
まず、
充分な数の
アルツハイマー
病のモデルサルが作れるようになっ
たところで、他の神経難病のモデル
サルの研究に取り組みたいと考えて
います。
私たちが今、力を入れているの
がゲノム編集技術です。今回のト
ランスジェニック(遺伝子改変)系
は、ある遺伝子を過剰に発現させ
ることで変化するという仕組みに
なっているのですが、 ゲノム編集は
ある遺伝子の機能を失わせるとい
うものです。
アルツハイマー病は遺伝子が過剰
SHIGA IDAI NEWS vol.27
10
A
B
ICSIにて受精卵を作製
ICSIにて受精卵を作製
囲卵腔にウイルスを
インジェクションし感染させる
囲卵腔にウイルスを
インジェクションし感染させる
カニクイザル卵子へのGFP遺伝子導入方法