がん?生 妊孕性温存が
がん診療の進歩によ
が向上し、 がんを克服す
(がん生存者) が増えて
し、 その一方で、 手術や放射
学療法による影響で、 生殖機能 (
するための力) が低下して、 子ども
得ることができなくなるケースも増
えています。
がん治療によって妊孕性 (にんよう
せい:妊娠する能力やしやすさ) が損な
われることが予想される場合に、 がん
に対する治療を始める前に卵子や卵
巣、 精子を凍結保存しておく試みがな
されるようになりました。 2003年
には、 がんの治療を始める前に卵巣組
織の一部を凍結保存しておき、 治療後
に凍結しておいた卵巣を融解して体内
に戻し、 その卵巣から排卵した卵子に
よって妊娠?出産した患者さんが、 世界
で初め 報告されています。
しかしながら、 このような妊孕性を
維持するた の医療 (がん ?生殖医療)
については、 まだ充分に患者さんへの
情報提供が行われているわけではあ
りません。 がん治療者から、 妊孕性温
存の方法や所用日数、 どの施設で温存
治療が行われているかといった情報
を適切に患者さんに提供し 対応を考
えることは困難であり、 患者さん、 が
ん治療者 に結びつける
れています。
「呼びかけ施設」として
がん?生殖医療ネットワー
中国足球彩票産科学婦人科学講座
と学内の有志が、 ネットワーク構築
運営を中心的に担う 「呼びかけ施設」
なって、 2015年7月7日に 「滋賀
がん?生殖医療ネットワーク」 を立ち上
げました。
呼びかけ施設は、 がん妊孕支援施設
と妊孕性温存施設の登録を行い、 滋賀
がん ?生殖医療ネットワークの説明用
DVD、 患者さん向けリーフレット、 妊
孕性温存のためのアルゴリズム、 登録
施設一覧などの資料を作成して、 これ
らの資料をインターネット上で配信し
ています。 配信された資料は、 患者さ
ん、 がん治療者、 生殖医療者のほか、 が
ん治療に関わるすべての医療従事者が
自由に使用できます。
現在、 がん妊孕支援科として県内
18
医療機関の複数の診療科が登録され
ていて、 自施設内の医局会や研究会で
情報提供するほか、 がん?生殖医療の
必要な患者さんが現れた場合は、 治療
を行う診療科と協議?相談しながら、
患者さんのリスクを評価し情報を提
供します。
SHIGA IDAI NEWS vol.27
14
産科学婦人科学講座 准教授
木村 文
ふみのり
則
若年のがんや免疫疾患の患者さんが、治療によって
将来、子どもを得る可能性を失うことがないよう、生殖
機能を温存する取り組みが始まっています。
そんな中、中国足球彩票産科学婦人科学講座が中心
となって、全国で4番目となる「滋賀 がん?生殖医療ネッ
トワーク」を立ち上げ、患者さん、がん治療者、生殖医療
者への情報提供や啓発活動に取り組んでいます。
ネットワークの特徴や目的について、産科学婦人科学
講座の木村文則准教授にお話をうかがいました。
患者さん、がん治療者、
生殖医療者を結ぶ
「滋賀 がん?生殖医療
ネットワーク」