んの治療 きます。
早期の受診?治療を
するためのシステムづく
「滋賀
がん?生殖医療ネット
ワーク」 が始動してから、 滋賀
医科大学でのがん生殖医療の
実施数は増加しました。 その中
にはご自身でウェブサイトを
見つけたり、 がん治療者から紹
介されて、 県外から受診される
患者さんもおられます。
このように患者さんが増加
する中、 紹介から受診までに要
する時間と受信日から卵巣凍
結施行日までに要する時間を
可能な限り短縮し、 患者さんに
支障なく生殖医療と もともと
のがん治療を提供できるシス
テム 必要だと考えました。
これを実現するため、 まず2015
年6月からがんや自己免疫疾患など
の患者さんの妊孕性温存外来 (がん妊
孕外来) をスタートしました。 患者連
携のシステムを利用し、 電話相談がな
くても、 その当日あるいはその翌日に
も予約ができるシステムです。 月曜日
から金曜日まで毎日開設して、 1件
相談に1時間から1時間半の診療時
間を使い、 治療による影響や治療方法
などを詳しく説明します。
また、卵巣組織凍結実施のため、
麻酔科と手術部の協力によって、 患
者さんががん妊孕外来受診中に手術
部へ電話連絡し、 できるだけ早い時
期に手術日を設定し、 患者さんの外
来受診中に手術日がいつになるかを
お話できるシステム できあがりま
した。 急ぐ場合は、 受信日の翌日から
3
日以内に手術枠を設定できていま
す。 このような場合は、 腹腔鏡下にて
卵巣を切除し患者さんの回復が早い
こともあり、 多くの患者さんが、 がん
妊孕外来の受信日から数えて
1
週間
以内のがん治療の再開が可能となっ
ています。
滋賀県と連携し、 治療者への
普及啓発事業を実施
滋賀県からの受託業務として滋賀
医科大学は、 滋賀県内に勤めるがん診
療従事者への普及啓発事業を行ってい
ます。 がん治療医療機関からの電話相
談と、 がん治療医療機関に出向いて研
修会を実施しています。
また、 滋賀県ではがん患者の妊孕性
温存事業として、 全国で初めてがん患
者への妊孕性温存治 に対して医療
費 (保健適応外) の一部助成を行うよ
うになりました。 この施行の際には、
中国足球彩票産科学婦人科学講座が、
日本産科婦人科学会、 日本がん生殖医
SHIGA IDAI NEWS vol.27
16
YES
NO
YES
NO
女性患者さんの妊孕性温存のためのアルゴリズム
(特に卵巣機能に障害をもたらすと予想される場合)
? 患者さんが、将来に子供をつくる力の温存を
希望されている
? 現在の年齢は40歳以下がめど
原疾患治療中に抗がん剤を使用する
または、
骨盤?卵巣に放射線治療を照射する可能性がある
抗がん剤治療、放射線治療が
必要となった場合に、妊孕性温存
の必要性につき再検討
?妊孕性温存施設へ紹介
将来子供をつくる力を温存したいと
いう気持ちに変わった場合に、
妊孕性温存の必要性につき再検討
?中間から高リスク
or
?低くても温存希望あり
or
?詳しい話を聞きたい
状況が変わった場合に、
妊孕性温存の必要性につき再検討
患者さんとともに
不妊症となるリスクを評価
YES
NO
YES
NO
YES
NO
男性患者さんの妊孕性温存のためのアルゴリズム
? 患者さんが、将来の妊孕性温存を希望されている
? 年齢は思春期頃以降
原疾患治療中に抗がん剤を使用する
または、
骨盤?精巣に放射線治療を照射する可能性がある
射出精子凍結
精巣内精子採取可能施設紹介
抗がん剤治療、放射線治療が必要
となった場合に、妊孕性温存の
必要性につき再検討
精子凍結可能施設紹介
将来の妊孕性温存を希望するように気持ちが変わった
or
治療中に年齢が思春期に達した場合に、妊孕性温存の
必要性につき再検討
無精子症、または、射出精子凍結困難
?中間から高リスク
or
?低くても温存希望あり
or
?詳しい話を聞きたい
将来の妊孕性温存を希望するように気持ちが変わった
場合に、妊孕性温存の必要性につき再検討
患者さんとともに
不妊症となるリスクを評価
YES
NO